AC長野パルセイロレディースは、2016年シーズンは多くを4-1-3-2(4-4-2の亜種とも言えます)のフォーメーションで戦い、國澤選手を守備的MF1人に置き、攻撃に5人を配したこの布陣は「長野=攻撃」のイメージを対戦相手にもサポにも印象付けました。ただ、このシーズンでも5失点を喫した9節ベレーザ戦(1-5敗戦)直後の10節大阪高槻戦(1-0勝利)では4-2-3-1、4失点を食らった14節湯郷戦(5-4勝利)直後の15節伊賀戦(1-0勝利)では4-1-4-1、次の16節INAC戦(0-5敗戦)では4-3-3、17節ベレーザ戦(2-0勝利)では4-4-2に戻すなど、問題が見つかる毎に本田監督は4バックをベースにしつつ中盤から前のフォーメーションを替えている印象があります。
2017年シーズンに関しては、以前書いたこちらをご覧ください。
で、2017年シーズンの最後の勝ち試合となった皇后杯3回戦(対常盤木学園、3-0勝利)で敷かれたという情報がある4-4-2ダイヤモンド型。この試合のフル映像が無いのが物凄く残念なのですが、これを来シーズンの滝川選手加入も含め当てはめてみると、こんな感じでしょうか。
中野選手をトップ下に配した形。4-3-1-2とも言えます。
古典的な「司令塔」を思い浮かべてこのフォーメーションが古臭いと言う人もいますが、私はそうは思いません。古き良き司令塔そのものが好きなのもありますが、この4-4-2ダイヤモンドは、配置する人材や試合中の振る舞いによって大きく性格が変わるものだと思っているからです。
上記の定位置を攻守50:50の基本布陣として、攻撃に厚みを持たせたいときは両サイドバックを前に出し、木下選手が位置を下げることにより簡易3-5-2となります。
また、基本陣形の中盤左右にサイドアタッカー的な選手を置くことにより、2016基本陣形の4-1-3-2とほぼ同じ性質になります。
木下選手が2人のセンターバックの間に入り、中盤左右の選手がそのまま位置を下げ守備的MFとなることで、試合終盤でスペースを潰しての守りきりやカウンターを狙う5-3-2になります。
2トップとトップ下の中野選手を固定した状態でもこれだけのバリエーションがあります。
どう動かしたとしても、このフォーメーションの利点は局地的なトライアングルを作り易く、意図さえ統一できていれば常に味方のボールホルダーに対して複数のアイデアを提供できるというのも利点です。
また、基本陣形を見ての通り前方にサイドアタッカーがいないので、両サイドバックには運動量・攻撃力・走力など多くの能力が求められます。小泉・藤村両選手を活かすという意味でも、勿論中盤のサポートは不可欠ですが、スペースを作るという意味では合っていると思います。そうなると、前線で一人タメ(中盤やサイドバックが押し上げる時間)を作れる選手が必要ではないかと思い、成長期待も込みで鈴木陽選手を入れています。鈴木陽選手がキープ→中野選手or左右の中盤に戻す→オーバーラップしたサイドバックor裏抜けする泊選手にスルーパス、というのも重要なパターンになりそうです。左右の中盤の選手には、攻守のバランスを最上位のテーマに置きつつ、時には攻撃参加、時にはサイドの守備への参加など多岐にわたる判断の連続とプレーが求められます。
選手の配置図から外した選手でも、中盤には大宮選手もいますし、FWには山崎選手、また前線から中盤の底まで幅広く対応する神田選手もいます。國澤選手を何処に置くかでも色々違ってきますし、中盤は多くの組み合わせが考えられると思います。ただ、シーズン後半はほぼ固定だった4バック、無得点試合の多かったFWに関しては層の薄さを感じます。今後の補強があるとすれば、その辺りか。GKに関しては一長一短はあるものの3人誰が出ても遜色ないレベルではあると思いますので、無理に動かす必要はないと思います。
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